研究概要 |
流れ場の状態変化を自ら検知するセンサ機能、状態変化を自ら判断し自ら結論を出すプロセッサ機能、自ら指令したり行動を起こすアクチュエータ機能を備えたインテリジェントエアフォイル(Intelligent Airfoil ; IA)システムの確立を目指し、翼の原形を二分割した切断片を形状記憶合金で接続した可変形状翼を対象にして、以下の開発を試みた。 1.翼面からの流れの剥離に伴う状態変化を検出するために、(1)翼接合部のすき間流れの変化を検出する光ファイバーを用いたセンサ、および、(2)感圧導電ゴムによる圧力分布検出センサ、を試作した。 2.流れ場の動的情報を取り込むため、信号検出・データ収録システムの設計,及び,試作を行った。また、圧力、流速信号から流れのはく離を判断しうるプロセッサを製作した。 3.翼の原形を二分割した切断片を形状記憶合金で接続した可変形状翼(現有)を、光ファイバーセンサを内部に搭載できるように改造した。形状記憶合金を通電加熱し、翼の変動動作を確認した。 4.光ファイバーセンサ、プロセッサ、アクチュエータを一体化し、流れ場の動的情報の取り込み、演算によりアクチュエータを作動させ,剥離の回避を目的としたIAを製作した。 5.風胴を用いて、開発されたIAによる流れのはく離抑制実験を行った結果、翼面からの大規模な流れのはく離を検知し迎え角を減少させてはく離の規模を減少させる動作が可能となった。 流れのはく離に対する反応のより優れたシステムの構築が次年度の課題である。
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