研究課題/領域番号 |
07555388
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤井 丕夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (90038589)
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研究分担者 |
新里 寛英 京都電子工業株式会社, 九州研究所, 主任研究員
張 興 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (40236823)
富村 寿夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (70136563)
今石 宣之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (60034394)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 短細線法 / 熱伝導率 / 熱拡散率 / 溶融炭酸塩 / 絶縁膜 / スパッター装置 |
研究概要 |
本研究は、新しい方法である非定常短細線法を確立し、汎用型の流体の熱伝導率測定装置の開発を目的としたもので、二年間の研究期間内に得られた主要な成果を以下に列挙する。 1.短細線まわりの二次元非定常熱伝導について精度の高い数値解析を行い、広範囲の流体に対して適用可能なパラメータ範囲で、測定原理の根拠となる理論解を求めた。 2.標準物質を対象にした測定を行い、細線のアスペクト比および被膜の材質や厚さが、測定精度に及ぼす影響を明らかにするとともに、熱伝導率は2%以内、温度伝導率は5%以内の誤差で測定できることを確かめた。 3.スパッタ装置を用い、プローブに耐久性、耐熱性、耐食性のある絶縁被膜(高純度アルミナAl_2O_3)を施すコーティング実験を試みた。その結果、スパッタ装置の特性に対応して、良質な被覆膜を形成するための槽内圧力、キャリアガス流量、酸素ガス濃度などについて最適な条件が明らかになった。 4.高温で電気伝導性や腐食性のある特殊な流体の例として溶融炭酸塩を対象にした測定を行い、プローブの耐熱・耐食性、電気絶縁性および耐久性などについて検討した。そして、被覆の耐久性は細線の直径と膜厚さとの比に大きく影響されること、細線の径が100μm程度であれば良好な被膜を施こすことが可能なこと、また微細なキレツの存在が白金の腐触を引き起こすことなど、実用化に際しての問題点を明確にした。 5.良好な皮膜が形成されたプローブによる測定により、溶融炭酸塩の熱伝導率および温度伝導率に関して、上記の測定精度内で再現性のある値が得られた。 6.測定シーケンスのプログラムの修正改良を行い、簡易測定用の場合、測定の開始から結果の表示までが簡単なキ-操作で可能なソフトを完成させた。
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