研究課題/領域番号 |
07555390
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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研究分担者 |
古畝 宏幸 ラフォーレエンジニアリング株式会社, 技術部研究開発グループ, 主任研究員
池田 満里子 慶應義塾大学, 文学部・生物学, 教授 (00051368)
佐藤 春樹 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70137983)
柘植 秀樹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051688)
岡 浩太郎 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (10276412)
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キーワード | 微細藻類 / 炭酸ガス固定 / 流れ適応 / バイオリアクター / 地球環境 / 光環境 / 光合成 / 閉鎖系生命維持 |
研究概要 |
地球環境における炭酸ガス増加に対する有効な手段として微細藻類サスペンションにおける光合成を利用するガス交換システムが考えられている。ガス交換効率を改善するためには藻類サスペンションの流道と光照射がどのようにガス交換に影響を与えているかを明らかにしなければならない。本研究では、流れ及び光の環境下での藻類の適応のメカニズムを明らかにし、流れによって活性化される藻類の機能を有効に利用するリアクターを高速増殖リアクターと名付け、藻類の高速増殖を維持するバイオリアクターの開発を目的とする。本研究では、流れの影響を調べるための回転二重円筒によるせん断流リアクターさらに実際のシステムへの応用を目指した同心二重構造の管状リアクターに関して、光合成特性を実験的に調べ、ガス交換効率に関して評価を行った。その結果、同心二重構造管状リアクターでは、壁の凹凸が流れに攪拌効果を与え、光合成機能を促進することに加えて、光を分散させるため、光環境を改善することが解った。これらの結果はいずれも炭酸ガス固定を促進する効果となり、高速増殖型リアクターに必須な性質となることが明らかとなった。さらに光環境を改善するためには、微視的な藻類の運動や分布と光の透過性とがどのような関係にあるかが問題となるが、藻類の運動を高速ビデオで撮影し、光の透過特性に関するモデルによって解析した結果、透過性が最大となる流れの条件が存在することが解った。これらの成果から高性能なリアクターデザインの指標が明確になった。
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