研究分担者 |
斉藤 正雄 ダイキン工業(株), 機械技術研究所, 研究員
岡本 誉士夫 ダイキン工業(株), 住宅空調生産本部設計部, 主事
和泉 晴夫 山口大学, 工学部, 助手 (80035047)
周 海 山口大学, 工学部, 講師 (10250680)
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研究概要 |
研究の初年度として,振動インテンシティ測定のための解析基礎式の定式化とその簡略化を行い,はりおよび薄板に対して基礎実験を行うとともに,実機において振動インテンシティの計測を試みました.本年度で得られた主な結果を次のようにまとめる. 1.時間変動振動インテンシティの定式化と検出方法 振動インテンシティの計測について,これまでの研究では時間平均を行うため時間変動量の検出ができない.本研究ではエンベロープ技術を導入し,振動インテンシティの時間変動量を検出するために,基礎理論の整備と算出式の定式化を行った.振動インテンシティプローブを用いてフーリエ変換やスペクトル技術により時間変動振動インテンシティの検出が可能となった.また,解析する周波数領域の指定ができるため,振動エネルギーの主要成分の抽出が可能となった. 2.時間変動振動インテンシティの検出精度と検出限界 エンベロープ振動インテンシティの基礎式に基づき,薄板においてその検出を試みた.薄板を衝撃加振し,振動インテンシティのノイズに対する検出限界および検出精度について検討を行い,衝撃加振応答に正弦波の暗振動が重著した場合は,そのS/N比は9dB以上であれば,衝撃振動エネルギーの流れを検出できることがわかった.また,複数の衝撃源が存在する場合は,衝撃応答が測定点に到達する時間間隔は4ms以上であれば,本手法により衝撃応答の分離が可能であることがわかった. 3.曲面振動インテンシティの定式化と計測 曲面を持つシェル構造物において,振動インテンシティの定式化を行った.有限要素法を用いて複雑の式の簡略化をはかるため,各項の見積計算を行った.また,有限差分法を用いてU字板について振動インテナシティ計測を試みた.解析および測定の結果,振動インテンシティに及ぼす曲面の曲率半径の影響を明らかにし,曲率半径が屈曲波の波長より大きい場合は,曲率の影響を無視でき,平板項のみにより評価できることがわかった. 4.振動インテンシティ手法の実機への適用 空調機のコンプレッサ外壁の振動インテンシティ分布調べ,加振源探査を行い,曲面構造物においても本手法による加振源探査が有効であることがわかった.
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