研究課題/領域番号 |
07555412
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 雅明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30192636)
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研究分担者 |
広野 滋 日本電信電話会社, 境界領域研究所, 主任研究員
GERHARD Faso ユーロテクノロジー, 主任研究員
西永 頌 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10023128)
FASOL Gerhart Eurotechnology Corporation, Principal Reaearcher
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | MnAs / 分子線エピタキシ- / 強磁性体 / 半導体多層構造 / GaAs / 不揮発性メモリ / スピンバルブ / (111)基板 / エピタキシャル成長 |
研究概要 |
強磁性金属間化合物MnAsに着目し、半導体基板上にエピタキシャル単結晶強磁性体薄膜を形成し、その構造・電気的・磁気的性質を最適化することにより、半導体エレクトロニクス回路と融合可能なオンチップ不揮発性メモリ実現のための材料開発を行うことを主目的として以下の研究を行った。平成9年度は、強磁性体薄膜MnAsと化合半導体GaAsから成る多層構造(3層構造)の分子線エピタキシ-(MBE)を用いたエピタキシャル成長と物性機能の探索に重点をおいて以下の研究を行った。 (1)強磁性体(MnAs)/半導体(GaAs)多層構造のエピタキシャル成長:GaAsやSi半導体基盤の方位を従来の(001)に加えて(111)方位を使用することにより、MnAs(0001)面のエピタキシャル成長薄膜を得た。この強磁性薄膜は、その構造対称性を反映して面内で磁気異方性がないことがわかった。さらにスピンとキャリア電荷の両方を利用したより高度な機能の実現を目指すため、これら(111)半導体基板上にMnAs/GaAs/MnAs/GaAs、及びMnAs/GaAs/MnAsから成る多層構造のMBE成長を行い、原子レベルで急峻な界面をもつ多層構造が形成されていることを、高分解能の電子顕微鏡観察で確かめた。 (2)半導体/磁性体多層構造の物性機能:多層構造中のMnAsは良好な磁気特性を示し、その飽和磁化は600eμ/cm3程度と、バルクMnAsで報告されている値に劣らないことを示した。また、成長条件を制御することにより、磁気特性のヒステリシスにダブルステップが現れた。これは、上下のMnAs層で保持力が異なるためである。半導体/磁性体から成るエピタキシャル多層構造は、スピンバルブ効果、磁気抵抗効果などを用いたセンサやメモリなどの磁気デバイス機能と半導体機能を融合させるために、有望な新しい材料系であることを示した。
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