サブミリ波超伝導アレーアンテナの試作

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07555420
• 応募区分: 試験
• 研究機関: 山形大学
• 研究代表者: 大嶋 重利 山形大学, 工学部, 教授 (40124557)
• 研究分担者: 楠 正暢 山形大学, 工学部, 助手 (20282238) ; 神戸 士郎 山形大学, 工学研究科, 助教授 (20211188) ; 小野 光弘 山形大学, 工学部, 教授 (60007010)
• キーワード: パッチアレーアンテナ / 超伝導アンテナ / YBCO薄膜

研究概要

酸化物超伝導体を用いたサブミリ波アレーアンテナの試作に向けて、平成8年度は次のような成果を得た。
(1)誘導コイル結合型マグネトロンスパッタリング法により、MgO基板、サファイヤ/CeO_2基板上に単結晶YBa_2Cu_3O_<7-δ>(YBCO)薄膜の合成条件を確立した。特に薄膜形成において、従来言われてきた条件、基板温度Ar,O_2のガス流量が極めて重要であることを思い出した。
(2)サブミリ波アレーアンテナの試作を前提として、ミリ波のログペリアンテナの設計を検討した。ログペリアンテナは極めてバンド幅が広いので宇宙天文用受信アンテナとして広く用いられている。我々の研究グループでは、ミリ波からサブミリ波を受信できるログペリアンテナの設計を検討した。その結果、〜40GHzまでの受信可能であることを明らかにしたが、残念ながら現在の受信システムでは40GHz以上の電波を検出する事ができない。従って、それ以上の電波を検出するシステムを次年度に検討する予定である。
(3)冷却システムもサブミリ波アレーアンテナの試作では極めて重要となる。小型冷凍機による冷却システムも現在検討し、超伝導アンテナとして機能することを確かめた。また、現在使用しているGM型冷凍機ではシステムの小型化が望めないので、現在小型化の可能性が高い、パルス管冷凍機について検討を開始した。

研究成果

• [文献書誌] Y.Nakamura,A.Ohsuka,S.Ohshima,K.Okuyama: "Fabrication and Characterization of Heteroepitaxial YBCO/CeO_2/Al_2O_3 Films" 8th International Symposium on Superconductivity. 989-992 (1996)
• [文献書誌] M,Miyauchi,Y.Ohki,Y.Taniguchi,S.Ohshima: "Numerical Prediction of Microwave Radiation from High Tc Superconducting Microstrip Antennas" 8th International Symposium on Superconductivity. 1167-1170 (1996)
• [文献書誌] S.Ohshima,T.Fukunaga,T.Ogasawara,K.Okuyama,K.Imai,K.Sawaya: "Design and Fabrication of Metal and Superconducting Antennas" 8th International Symposium on Superconductivity. 1175-1178 (1996)
• [文献書誌] A.Kamitani,T.Yokono,M.Shibata,G.Mizuochi,S.Ohshima: "Numerical Analysis on Magnetic Shielding Effects of Multiple-Layer Superconducting Plates" 8th International Symposium on Superconductivity. 1349-1352 (1996)
• [文献書誌] G.Mizuochi,S.Ohshima,K.Okuyama,T.Yokono,A.Kamitani: "Investigation of Superconducting Joint of Overlapped Two Plates" 8th International Symposium on Superconductivity. 1361-1364 (1996)