研究概要 |
自動車のエンジン室において、火花の輝度分布や温度分布を少数方向の投影データから、3次元画像として高速に再現し可視化計測する方法が求められている。本研究は、火花の放射画像をカメラで少数方向から同時に計算機へ取込み3次元画像を再構成する手法を創出しようとするものである。計算機シミュレーションや実際に放射画像をカメラで計算機へ取込む実験を行い、再構成を確認して性能評価を行い,新しい「濃度分布計測法」としての可能性を明らかにする。 今年度は火炎を対象にして、まず放射画像の取込み条件を再構成計算機シミュレーションにより検討した。次に実際に放射画像を計算機へ取込むための光学機構やハード/ソフトインターフェイスの設計と試作を行った。 1)計算機シミュレーションにより、システムパラメータとして対象物体の標本化モデルや、投影の方法を種々に変えて再構成実験を行い、再構成画像の誤差評価を行って、放射画像の最適な取込みの条件を検討した。その結果、4方向や9方向や16方向からの最適な取込み条件として、ビーム間隔や標本点間隔の関係が分かり、打切り特異値分解による打切り特異値と再構成画像の誤差の関係、再構成時間等の実験的性能が明らかになった。 2)火炎からの放射画像を多数方向から同時に計算機へ取込む工夫が必要なので、多数本の光ファイバーを用いて各方向からの放射画像を格子状に配置してデジタルカメラのレンズ面へ導く、という光学機構を設計した。そして1回のシャッターで多数方向からの放射画像を同時に計算機へ取込む放射画像同時取込み部を試作した。次にこの放射画像を計算機へ取込むインターフェイス用ボードを設計試作して、取込みプログラムを制作した。取込み実験を行った結果、4方向や9方向や16方向からの画像が同時に正しく取込めることが分かった。
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