本研究の目標は、火花等の放射画像を少数方向からデジタルカメラで計算機へ取込み3次元画像を再構成する手法を創出することである。そこで計算機によるシミュレーション実験や放射画像をデジタルカメラで計算機へ取込む実験を行って、打切り特異値分解に基づいた新しい「濃度分布計測法」の可能性を明らかにする。 まず火炎の周りの少数方向から放射画像を取込む再構成の計算機シミュレーション実験によって検討をした。次に実際の放射画像を計算機へ取込むためのハードウェアインターフェイスの設計と製作を行い、画像取込みの実験を行った。そして少数方向から放射画像を取込みそのデータから3次元画像を再構成する実験を行った。 1.対象物体の標本化モデルや投影方法のパラメータを種々変えて、計算機シミュレーションによる再構成実験を行った。再構成される画像と原画像との誤差評価を行い、放射画像の取込みの条件を検討した。その結果、4方向や8方向や12方向からの良好な取込み条件として、標本点間隔とビーム間隔との関係が分かった。また打切り特異値分解による打切り特異値と再構成画像誤差との関係や再構成時間等の再構成性能が明らかになった。 2.火炎からの放射画像を計算機へ取込むために、デジタルカメラを計算機へ接続するハードウェアインターフェイスを設計して、画像取込みボードを試作し、ドライブプログラムを作成して、接続インターフェイスの実験を行った。その結果として、火炎からの放射画像を計算機へ取込むことに成功した。 3.多数方向から火炎の放射画像を取込む実験を行った。そしてこの画像データに特定フィルターをかけて、画像ファイルへ格納した。これを基にして種々の再構成実験を行い、元の火炎が再現できることを明らかにした。
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