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1997 年度 実績報告書

マイクロマシニングによる弾性表面波ジャイロスコープの研究

研究課題

研究課題/領域番号 07555424
研究機関東京大学

研究代表者

樋口 俊郎  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10111569)

研究分担者 高橋 歩  住友金属工業株式会社商品開発部, 副参事(研究職)
黒澤 実  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70170090)
キーワードジャイロセンサ / マイクロセンサ / 弾性表面波 / レイリー波 / ニオブ酸リチウム / 圧電センサ / 電気機械変換器 / 圧電トランスジューサ
研究概要

圧電基板としてiNb03 128度回転Y板を用い、周波数を15MHz、振動モードをレイリー波として、ジャイロセンサを設計した。圧電基板表面には、定在波励起用の櫛形電極1組と反射器を2組、これに対して、2次波を検出するための電極と反射器が2組ずつ向かい合ったものが、直交して配置してある。それぞれの電極が交差した領域に、摂動電極を配置している。この交差部でのコリオリ力による2次的に発生する表面波を検出するのが、このセンサの原理である。通常ではこれらの波動はお互いに打ち消しあって、外から観測することはできない。しかし、このセンサでは、1波長間隔で分散配置された摂動電極により、特定な位相関係の波動だけを強く励振することで、検出可能な構造としている。等価回路による動作解析の結果、2πrad/sの回転角速度で、1Vの駆動電圧に対して、数十mVの出力が得られることがわかった。電極はアルミ及びクロムを用いてフォトプロセスにより製作され、電極全体の大きさは25x45mm2である。
製作されたジャイロの検出用電極のアドミタンス特性を計測した結果、反共振のQ値が予想より大幅に低く、駆動用電極との共振の一致は見られず、検出出力は数百μV以下になってしまうことが分かった。また、中央の摂動電極による表面波の散乱が観測され、駆動用の信号が検出用電極に回り込んでしまうことがわかった。さらに、摂動電極の振動状態を調べたところ、理想的な振動状態にないものが数多くあり、同時にはっきりとした定在波の励起も見られず、検出出力の低下が予想された。製作したジャイロの出力信号が微弱で、容易に観察する事ができないため、このジャイロをターンテーブルにのせて周方向に振動させ、ジャイロの出力信号と振動をロックさせて検出する手法を用いたが、角速度検出信号を確認する事はできなかった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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