平成8年度は本システムの光学系を改良し、計測性能の評価を行った。改良点は投射系では、球面収差の少ない投射レンズとビームを垂直方向に長いスリット光にするためのシリンドリカルレンズの導入である。これによって、20mあるいは50m離れた地点で2m×20cmの大きさにビーム断面を絞ることが可能となった。また受光系では、投射光と再帰光を分離するビームスプリッターの代わりに、全反射鏡を用い受光強度を上げた。さらに開口比の大きい無収差レンズを用いて反射体を光検出素子に結像させ受光感度をあげた。またレーザー光(812nm)以外の波長を遮断する干渉フィルタの導入によって、太陽光や照明光などの背景光の影響を除外できるようにした。 測定可能領域は、水平方向に75°、垂直方向に2m(プレーヤーの身長の範囲)を確保できることが分かった。位置測定ノイズは、距離20mでは、水平方向に0.15mm、垂直方向に0.25mm、距離50mでは、水平方向に0.55mmであった。3次元計測時の奥行き方向ノイズは、距離20mで0.25mm、50mで0.95mmと見積もることが出来た。実時間計測できる対象物の個数は10個の運動体と1個の静止基準体の計11個である。
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