研究分担者 |
野上 邦栄 東京都立大学, 工学部, 助手 (00094277)
岩本 政巳 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (60232716)
丸山 久一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30126479)
山口 宏樹 埼玉大学, 工学部, 教授 (50134474)
藤野 陽三 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20111560)
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研究概要 |
本研究では,経済的な長大吊形式橋梁とそれを支援する設計手法の開発を行っている.吊形式橋梁の双璧である吊橋と斜張橋に着目し,面内荷重に対する耐荷力を明らかにするための材料の非弾性と有限変位を扱う弾塑性有限変位解析法,風による横座屈やダイバージェンス不安定現象を明らかにするための変位依存型の風荷重を扱う有限変位解析手法およびモード座標系をベースとするフラッター解析手法と,それぞれの解析プログラムを開発した.とくにフラッター解析においては,多数ケーブルの振動がフラッター発振風速に与える影響が考慮できるようにした.また,これらを,従来形状の斜張橋,吊橋のみでなく任意の立体ケーブルシステムが扱えるよう拡張した.これにより,任意の形状をもつ長大吊形式橋梁の静的,動的不安定現象の解析的検討が可能となった. 以上の解析手法を用いて,不安定現象をクリヤできる最小の主桁断面をもつ,すなわち最も経済的と考えられる長大斜張橋の開発を行った.具体的にはスパン1400mの斜張橋を対象に,最小断面構成を特定するとともに,断面構成に関する一般的な設計指標を与えた.次にフラッター風速を最も高くでき,しかも経済的な立体吊橋ケーブルシステムの検討を行った.具体的にはスパン2500mクラスを対象に立体的なケーブルシステムの耐風安定性に与える効果を明らかにした.設計手法の開発については,上記不安定問題がクリヤできる最小断面構成を与える指標を開発するとともに,吊形式橋梁を構成する各要素の相関強度問題を検討した.
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