研究課題/領域番号 |
07555441
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 教授 (60109072)
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研究分担者 |
宮坂 享明 大同コンクリート工業(株), 技術開発部, 技術課長(研究職)
清野 純史 山口大学, 工学部, 助教授 (00161597)
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キーワード | 杭基礎 / 耐震ジョイント / 液状化 / 地盤の側方移動 / 曲げ載荷実験 / 数値解析 / 大変形 |
研究概要 |
本研究の目的は、これまでの杭の設計思想とは全く逆の高靱性を有する杭の継ぎ手(これを以下、耐震ジョイントと呼ぶ)の開発を行い、それを用いた杭の耐震性を明らかにすることである。 本年度はまず他の目的で開発された無溶接継ぎ手をその嵌合部にゴム膜をかませることによって弾性的挙動を許す構造、すなわち耐震ジョイントに改良した。この耐震ジョイントを杭と杭の結合部に用いた杭(これを耐震ジョイント杭と呼ぶ)の曲げ載荷試験を行い、曲げモーメント〜変形特性を明らかにした。実験用に用いた杭は径400mmと600mmの高強度プレストレストコンクリート杭であり、比較のためジョイントを用いない杭に対しても実験を行った。従来の曲げ載荷試験では、その終局耐力のみが注目されていたが、本研究の目的によれば、その変形特性を明らかにすることも重要である。そこで、傾斜針を使って変形中の杭の曲率を求め、精度良く初期の目的を達成した。実験の結果、耐震ジョイント杭は、杭本体に比べて4〜5倍のたわみ性を有することが明らかになった。 次に、研究代表者らが既に開発している大変形解析数値計算プログラムを上述の杭の曲げ載荷試験が精度よくシミュレート出来るよう改良した。そのプログラムを用いて液状化による地盤の側方移動に対する応答解析を行った。数値解析は、杭径400mmと600mm、耐震ジョイントの有無、液状化層厚5通り、杭頭固定度3通りに対してパラメトリックスタディを実施した。その結果、破壊パターンが6種類に分類できること、いずれの破壊パターンに対しても耐震ジョイントが有効であり、ジョイントを用いない場合に比べて、約1.5〜2倍の地盤の側方移動量に対して杭が「ねばり」を発揮することが明らかになった。
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