研究課題/領域番号 |
07555445
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹村 次朗 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40179669)
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研究分担者 |
松田 隆 大林組, 技術研究所, 副主任研究員
神田 政幸 東京工業大学, 工学部, 助手 (10282823)
岡村 未対 東京工業大学, 工学部, 助手 (50251624)
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キーワード | 液状化 / 砂 / タンク / 盛土 / 模型実験 / 矢板壁 / バーチカルドレーン / 沈下 |
研究概要 |
平成8年度は、地中構造物が存在する砂地盤が液状化したときの、地中構造物の変形性状を調べると共に、液状化対策法の確立に資する知見を得ることを目的とし、一連の遠心模型実験と繰り返しせん断試験を行った。 実験では、模型地中構造物を有する相対密度が約60%と85%の砂地盤を作成し、排水機能付き矢板、普通矢板、またはグラベルドレーンで対策を施した後、50gの遠心加速度場にて100Hzの正弦波を20波ほど模型に入力した。これは実物に換算すると周波数2Hzの正弦波を10秒間入力することに相当する。ここで用いた模型の単位体積重量は約0.85gf/cm^3であり、地盤内では浮力によって上向きの力を受けるものである。実験及び有限要素解析の結果、以下の結論を得た。 (1)構造物下の過剰間隙水圧がある値(threshold value)に達すると構造物の浮き上がりが発生する。従って構造物下の過剰間隙水圧をthreshold value以下に押さえることが構造物の浮き上がり対策にとって重要である。 (2)最終的な残留変形は、発生した間隙水圧のみならず、地盤内の変形挙動の影響を強く受け、浮き上がりに伴い周辺から砂が構造物下に回り込む無対策のケースや、グラベルドレーンのケースでは振動によって浮き上がった量に近いものが残留値となるが、矢板によって囲んだケースでは、周辺からの砂の回り込みが防がれるため最終的には沈下が生じる。排水矢板は浮き上がり対策としては極めて効果的であると言えるが、もし構造物下の地盤が極めて緩い状態の場合には、振動に伴いある程度の沈下が発生することが予想され、これに関しては十分な検討が必要である。 (3)修正松岡モデルにBiotの圧密方程式を組み込んだ有限要素法による有効応力解析により、無対策の地盤の変形や間隙水圧挙動を合理的に予測することが出来た。一方、対策ありの場合では、構造物の浮き上がり挙動をある程度評価することはできたが、間隙水圧の予測精度はかなり低い結果となった。
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