研究課題/領域番号 |
07555455
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小池 淳司 岐阜大学, 工学部, 助手 (60262747)
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研究分担者 |
大野 栄治 筑波大学, 社会工学系, 講師 (50175246)
上田 孝行 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20232754)
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キーワード | 治水事業 / 便益評価 / 不確実性 / 防災投資 |
研究概要 |
平成7年度は治水事業の便益計測モデル構築のため、治水事業に代表される防災投資の効果を理論的にモデル化することを目的に研究を遂行した。モデルの構築に際しては、ミクロ経済的一般均衡モデルを用い、各主体(世帯・政府・企業・地主)の行動モデルを基本に各財市場(土地・労働・合成財)の需給均衡をモデル化し、防災投資の効果によって立地の魅力度が増すことが世帯の消費行動・企業の生産行動などに波及し、最終的にその効果(すなわちプロジェクト便益)を捉えることができるモデルを構築した。モデル化に際して、通常のミクロ行動モデルを応用し、防災投資のようなその効果の発生に不確実性が伴うプロジェクトの効果を捉えるために、各主体が不確実性下で将来的な要素を考慮するようモデル化を試みた。 その結果、評価基準年等によって、複数の便益の定義が出来ることが確認され、その定義を整理することで便益の定義に対して、その特徴を捉えることが出来た。 以上のような研究の成果は世界交通会議(オーストラリア),土木計画学研究発表会(松山)にて研究発表を行った。さらに、本研究は広義には防災投資の便益を評価できる理論モデルであるので阪神・淡路大震災に関する学術講演会(東京)にて本モデルの地震対策プロジェクトへの応用に関する研究を発表した。 平成8年度は本年度の理論モデルを計測モデルへ発展させ、実際の治水事業の便益を計測することを最大の目的と考えている。さらに、その評価の考え方、計測手法の実用化に向けてマニュアル作成を行うことを考えている。
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