研究概要 |
本研究では,間欠曝気処理法による有機物,窒素の同時除去が可能な畜舎汚水の処理システムを確立することを目的に,畜舎排水処理の実態調査とともに室内実験装置および現場ミニプラントを用いた処理実験を行ない,処理効率の最適化の検討を行なった。 まず豚尿汚水を用いた室内処理実験において,平成7年度で明らかにできなかった運転条件(窒素負荷,好気・嫌気のサイクル時間などの条件)と処理効率について検討したところ,1サイクル24時間,MLSS 3000mg/l,実際の豚尿汚水処理場における負荷条件の5倍と10倍の高負荷運転条件では,有機物はどちらも90%以上の除去率を得たが,全窒素の除去率は30%前後にとどまった。これは,硝化反応は進行したものの,脱窒素のための有機物の不足が考えられ,今後は人為的に有機物(汚水の間欠投入・メタノールなど)を投入する必要がある。また活性汚泥中の原生動物相を観察したところ,生活排水処理で見られる動物相と大きな違いはなく,安定していた。 さらに畜舎の脇に反応槽容量20トンのミニプラントを設置した。すでに汚水を投入しているが,室内実験の結果を踏まえた運転条件にむけて調整中である。
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