研究課題
試験研究(B)
本研究の目的は、材料自身が自ら検知し、自らが判断して結論を出し、自ら指令したり行動を起こす機能を併せ有するコンクリート材料の開発にある。即ち、ひび割れ幅がある限界幅を超えると自動的に樹脂がにじみでて、ひび割れを塞いでしまうシステム並びにコンクリート中の中性化や塩分浸透が起こったときに、再アルカリ化や塩分固定を自ら行うことによって化学的性質を自己修復するシステムをコンクリート材料に付与する方法を開発する事にある。この技術の開発には、コンクリートのひび割れと挙動と化学的性質を熟知する必要があり、また、自己修復機能を有するコンクリートが開発されれば、高性能で高耐久性を有するコンクリートを実現することができる。本年度は以下の研究項目について成果を得た。(1)ひび割れ幅とカプセルに保有可能な樹脂量の関係、カプセル量の混入がモルタルやコンクリートの練り混ぜ及び硬化後の特性に及ぼす影響等に関して検討した。(2)ひび割れの補修に適切な樹脂の種類、並びに樹脂の浸透特性について検討した。更にX線造影法により、ひび割れへの樹脂の浸透とガラスパイプの径や間隔の関係を検討した。(3)耐久性改善用混和材を混入した場合の鉄筋コンクリート構造物の耐用年数の推定を行った。(4)3年間貯蔵した耐久性改善用混和材を混入したセメントモルタルの耐久性試験を行い、長期間貯蔵した後にも、これらの性能が損なわれないことが確認された。
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