研究課題/領域番号 |
07555477
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 亨 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024213)
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研究分担者 |
脇門 恵洋 愛知製鋼, 研究開発部, 部長
守屋 健 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40029525)
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80110253)
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キーワード | 非線型 / 相変態 / 相分解 / スピノ-ダル分解 / 拡散方程式 / カオス / 分岐 / パターン形成 |
研究概要 |
Khachaturyanの拡散方程式および離散型拡散方程式に基づき、Al-Zn,Cu-CoおよびFe-Mo合金の相分解挙動の等温時効における相分解シミュレーションを行った。その結果、Al-Zn合金では、等方的なまだら構造が形成され、また分解初期過程から後期過程にかけて、中央組成から外れた場合のスピノ-ダル分解挙動を非常に精密に表現することができた。Cu-Co合金においては、合金組成を変化させて一連の相分解シミュレーションを行い、析出粒子の形状変化や、弾性相互作用の組織形成に及ぼす効果等が明らかになった。Fe-Mo合金の計算では、本合金系は弾性拘束が非常に大きいので、スピノ-ダル分解初期から周期的な変調構造が形成された棒状のゾーンが成長した。以上の計算結果に対して、その計算条件と全く同条件にて実験した実際の組織とを比較した結果、両者は、組織の形態等、定量的によく一致した。シミュレーションの問題点としては、弾性拘束関連項内の弾性率の組成依存性の効果が、Khachaturyanの拡散方程式に基づく計算方法では正確に扱うことが困難であることが今年度の研究中に明らかになったが、この点までも計算に取り入れる事の出来る新シミュレーション法をさらに開発することができた。この新手法が、前述の「離散型拡散方程式」に基づく計算方法である。これによって、非線型拡散方程式に基づく組織形成過程の、世界的に見ても最も正確に解析できる計算方法が確立したことになる。映像化においては、以上のシミュレーション結果を基に、現在、映像データをワークステーションおよびビデオ関連機器を用いて編集中である。特に3次元映像の技術が日進月歩の状態であり、これを本研究に導入することによって、より一層グレードの高い映像化を目指す予定である。
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