研究分担者 |
梶 正己 京セラ株式会社, 総合研究所, 課責任者
稲垣 正祥 京セラ株式会社, 総合研究所, 課責任者
古賀 和憲 京セラ株式会社, 総合研究所, 所長
中村 裕三 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40198247)
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研究概要 |
ムライト/ポリチタノカルボシラン/キシレン系からドクタープレード法でシートを成形した。これを窒素雰囲気中で加圧焼結し、ムライトとポリチタノカルボシランの反応性を調べた。1400°-1600℃の生成相は、ムライト,Si-Al-O-N(Si_2Al_3O_7N又はSi_<12>Al_<18>O_<39>N_8),α-Al_2O_3,Si_2ON_2,β-SiC及びTiNであった。焼結体の組織観察から生成相はムライト-C(ポリチタノカルボシランから供給)-N_2系の次式によるものと考えられた。 6Al_6Si_2O_<13>(S)+10C(S)+4N_2(g)→12Al_2O_3(S)+2Si_2ON_2(S)+4Si_2Al_3O_7N(S)+10CO(g)+O_2(g) Si-Ti-C-O繊維強化ムライト基複合材料の鞍状曲げ試験片の破面観察から、破壊は繊維束の試料表面最近傍部から発生したき裂から生じていることがわかった。外力とき裂発生部の内部応力の相互作用の観点から、この現象を有限要素法による応力解析を用いて説明することができた。複合材料の透過電子顕微鏡観察から、繊維内のグラファイトが確認できた。また、母材の析出物はTiC、繊維の析出物はグラファイト以外にSiC、TiC、およびシリカガラスであると推察された。 Si-Ti-C-O織物/ムライト積層材における弾性挙動に及ぼす織物の影響を調べ,有限要素法並びに弾性論による評価法と比較して、最適なモデリングを行った。積層材中の残留応力を予測するとともに,圧痕法によって実測し、両者の一致を得た。さらに評価された残留応力が破壊強度に及ぼす効果を調べ、良い相関性を見い出した。破壊靱性を増加させる機構としての繊維の引き抜き効果を調べるため、超微小硬度計によるpush-out試験を開始し、実験条件の最適性を有限要素法により評価して試験が実施可能な状態としている。上記のように、積層材における弾性挙動並びに破壊、靱性に関して評価と測定を行い、実験結果と合う力学的挙動の最適なモデリングを構築しプロセス段階における積層材作製条件にフィードバック可能となってきている。
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