研究課題/領域番号 |
07555487
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工業研究所, 助教授 (80158039)
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研究分担者 |
宮崎 広行 東京工業大学, 工学部, 助手 (30239389)
井関 孝善 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016818)
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キーワード | 噴霧熱分解 / 非酸化物 / 粒子分散セラミックス / 炭化ケイ素 / アルミナ / 合成 / 微構造 |
研究概要 |
SiCナノ粒子分散アルミナセラミックスの合成溶液の調整では、アルミナ源として硝酸アルミニウムの水溶液を用い、イビデン社製微粒子Sic粉末(平均粒径0.25ミクロン)を分散させた溶液を調整した。この時、懸濁液が安定に存在するための条件として、各種の分散剤の効果をSicの濃度との関係で明らかにし、溶液調整の手法を明らかにした。この溶液を用いて、超音波噴霧様式において、試作した噴霧熱分解装置を用いることにより、粉末を合成した。得られた合成粉末を用いて大気中1500℃で焼結体を作成し、その微構造を電子顕微鏡で観察することによりSicの分散状況を明らかにした結果、アルミナ粒内にSicが分散(ナノコンポジット化)していることを確かめた。さらに、新規に購入した噴霧熱分解装置については、二流体ノズルの性状を確認し、溶液の脈動を押さえる工夫をした後、上記と同様の溶液を炉内温度800℃で1時間に1リットルの噴霧が行えることを確かめた。粉末の回収率は70%であった。この粉末をX線回折で調べたところ、非晶質のアルミナとSic粒子からなっており、本粉末製造法が原理的に有効であることが確かめられた。得られた粉末は、極めて比表面積の大きな粉末であり、そのままプレス成形して焼成したところ、十分な密度の焼結体は得られないことがわかった。また、大気中での熱処理では、Sicはアルミナと反応して、ムライトとなってしまうことが明らかとなった。今後、粉末の処理法および、焼結雰囲気についても検討していく予定である。
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