研究概要 |
現有の紡糸装置により溶液紡糸法により連続したY_1Ba_2Cu_3O_X前駆体繊維を作成した。紡糸条件及び熱処理条件を検討することにより、77K,0Tで10^5A/cm^2を越える最大のJc値を得ることができた。溶融凝固処理した繊維のJcの磁場依存性を測定した結果77K,4Tで10^3A/cm^2以上を示すことが認められ、熱処理条件を検討することにより有効なピンニング点を導入することが出来ることが明らかとなった。そこで、50cmの均熱帯を持つチ-ブ炉を購入し長い超伝導繊維の製造を検討した。始めに長さ30cmの前駆体繊維を450℃まで30℃/hで加熱して有機物を取り除いた所20cmに収縮した。加熱した繊維を長さ20cmの白金容器の上に浮かせてのせ、部分溶融凝固処理をした。従来の炉に比較して加熱部分が大きいため高いJcを示す加熱条件を検討した。酸素量を多く流すこと、溶融温度を10℃上げることなどにより繊維の長さ方向にJcの変動がなく、77K,0TでJc=10^4A/cm^2を示す長さ18cmの連続した超伝導繊維を作ることが出来た。今後加熱容器をさらに長くすることで高いJcをもつ20cm以上の超伝導繊維を作ることは可能と考えられる。
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