研究課題/領域番号 |
07555504
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 安徳 九州大学, 工学部, 教授 (80010940)
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研究分担者 |
高木 憲一 日本真空技術株式会社, 超高真空事業部開発部, 部長(研究員)
常光 幸美 九州大学, 工学部, 助手 (40211974)
増田 正孝 九州大学, 工学部, 助教授 (40165725)
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キーワード | 誘導結合型スパッタ / 人工格子 / Fe / Cr / 巨大磁気抵抗効果 |
研究概要 |
1994年に発表された誘導結合型スパッタ装置は、高真空度での高速スパッタが可能な成膜装置として注目を集め、従来のスパッタ装置より極めてクリーンな機能性膜が得られる装置として期待された。しかし、この装置の問題点として、クロスコンタミ、セルフコンタミが指摘された。これは、シャッターによりカソードフラックスを閉じていても、基板に、そのターゲット材料の積層が検出されるもので、原子オーダーで積層制御する必要がある機能性薄膜では、重大な欠陥として対処が必要となった。そこで、本年度の研究では、この改良案として、カソード周縁をシールド材料で覆うことを検討し、シールド材料、形状を種々検討し、試作カソードを作製した。この新型カソードにより、クロスコンタミ・セルフコンタミを検出限界以下まで低減することが可能となった。また、誘導発振のためのコイルの特性にも検討を加えコイル巻数を1ターンにまで減少させても正常発振し、プラズマ発振効果があることを確認した。これにより、コイルへのターゲット材の積層による性能劣化を低減することが可能となった。本年度の成果として、本改良型装置を用い、Fe-Cr人工格子膜を作製し、巨大磁気抵抗効果を発現させることができた。巨大磁気抵抗効果は、従来の物質にない磁気抵抗変化で、外部磁界により、物質の電気抵抗値が極端に変化する現象であり、磁気センサー、磁気記録材料として、多大の期待が寄せられている。本装置により、この人工格子膜の成膜条件による電気・磁気特性に及ぼす影響を検討し、成膜圧力、成膜RF電力、DC電力などの効果を明らかにした。
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