研究分担者 |
中山 孝文 財団法人電気磁気材料研究所, 附置研究所・合金材料グループ, 主任研究員 (40164363)
木村 幸平 東北大学, 歯学部, 教授 (40108551)
奥野 攻 東北大学, 歯学部, 教授 (50014080)
本間 基文 東北大学, 工学部, 教授 (50005261)
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研究概要 |
1.目的および方法 Fe-Pt系合金磁石はSi添加によって鋳造性が増すが,磁気特性は低下する。しかし,Nbの複合添加によってこれを改善することができる。そこで,最終年度はSiとNbの最適組成を求め,得られた合金によって臨床形態に近い寸法の試料を作製し,吸引力に及ぼす種々の着磁方法の影響を調べ,本系合金の応用性を検討した。 2.結果 現段階において,Fe-39.5%Pt-0.65%Nb-0.1%Si合金が,鋳造性,表面粗さ,磁気特性等に関して総合的に優れている。この合金の円板状試料は,平成約500gf,最大約710gfを,また,クラウン状試料における最も高い値は,歯冠軸方向に着磁した場合,平均536gf,最大約720gfの吸引力を示している。最近の研究では,可撤式クラウン・ブリッジの維持力は500gf程度が適値とされており,上記の値は,本系合金が補綴学的に臨床応用可能であることを示唆している。他方,本系合金の基礎データとして,スパッター法によって作製したFePt薄膜ではHc=7kOe,(BH)max=30MGOeに及ぶ非常に大きな値が得られた。 3.まとめ 研究代表者等は,Fe-Pt系合金磁石の歯科応用を目指し,歯科精密鋳造法に適応した合金成分,鋳造条件を見出した。この合金組成ならびに最適な着磁法によって,本系合金が補綴学的に臨床応用可能であることがわかり,所期の目的が達成された。
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