研究課題/領域番号 |
07555506
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金野 英隆 北海道大学, 工学部, 助教授 (50002316)
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研究分担者 |
横山 一男 横山表面工業(株), 社長(研究開発職)
海老原 健 日本軽金属(株), 技術開発本部, 室長(研究職)
佐伯 功 北海道大学, 工学部, 助手 (50235090)
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キーワード | アルミニウム / アノード酸化 / 構硬質アノード酸化皮膜 / 複合アノード酸化皮膜 / 耐孔食性 |
研究概要 |
次のような2段階のプロセスにより、アルミニウム複合アノード酸化皮膜を形成する方法を確立した。 ステップI:電解または浸漬法によりアルミニウム材料の表面に金属オキシ水酸化物皮膜を形成し、必要であれば乾燥または熱処理する。 ステップII:酸性溶液中でアノード酸化を行なって多孔質アルミニウムアノード酸化皮膜を形成する。 今年度までに、ステップIに(a)電解モリブデン酸塩処理、(b)クロム酸処理、(c)りん酸-クロム酸処理、を用いた場合に得られた皮膜の組成・構造の検討および物性の評価を行なった。その結果を要約すると以下のようである。 1.ステップIで形成した皮膜は、ステップIIの際の酸の溶液に溶解しない場合には、主にアノード酸化皮膜の最表面に存在する。しかし、見掛け上溶解したように見える場合でも、アノード酸化皮膜の全分析を行なうとステップIの皮膜に含まれるイオンが少量ながら検出されるので、一部は明らかに皮膜中に取込まれている。 2.いずれの皮膜も、同一条件で形成した通常のアルミニウムアノード酸化皮膜より10〜25%断面硬度が上昇する。また、上記(a)の場合は表面の耐摩耗性も向上する。 3.ステップIにクロム酸塩を用いた場合には、生成した複合アノード酸化皮膜の塩化物水溶液における耐孔食性が著しく増加し、孔食発生率50%までの寿命が通常のアノード酸化皮膜の1.5倍以上に延びる。
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