研究課題/領域番号 |
07555509
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
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研究分担者 |
村橋 紀昭 三菱マテリアル, 中央研究所, 研究員
河野 通 三菱マテリアル, 中央研究所, 室長
吉見 享祐 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80230803)
村山 洋之介 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60111308)
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キーワード | 金属間化合物 / 水素吸蔵合金 / 微粉化 / 圧力-水素組成等温線図 / 組織制御 / 粉末プロセス |
研究概要 |
平成7年度に購入を計画した主要設備である、水素化処理炉およびPCT測定自動化装置の製作・搬入・調整が遅れたため、当初の計画を一部変更して、室温での水素処理で容易に自己崩壊して微粉化する金属間化合物Nb_3Alを使って、自己崩壊の条件を現象的に明らかにする研究を行った。Nb-Al2元系においては、Nbに約10mass%のAlを添加すると第2相としてNb_3Alが現れ、20〜23mass%Alの添加でほぼNb_3Al単相となるので、0〜23mass%のAlの組成範囲の合金で水素処理を行った。その結果、Nb_3Al単相合金では容易に微粉化が進行すること、Nb固溶体が第2相として存在すると自己崩壊が起こりにくくなり、Nb固溶体の体積率が約20%異常になると最早室温では自己崩壊が起こらないことが分かった。 また、組織制御についての知見を得るため、自己崩壊により微粉化したNb_3Al合金をメカニカルグラインデイング(MG)して組織の微細化を検討した。MG条件を調整すると粉末の結晶粒径を約10ナノメーターにすることができる。このようなMG粉末をHIP焼結することにより、サブミクロンの結晶粒径をもったNb_3Al焼結体が得られた。焼結体の破壊靱性値は組織の微細化とともに上昇することが明らかになった。 以上の結果から、金属間化合物のなかには水素処理で粉末作製できるものがあること、粉末プロセッシングの条件を最適化することにより微細組織をもつ焼結体が得られること、このような焼結体では微粉化が起こりにくいことが分かった。これらは、脆い希土類系金属間化合物を取り扱っていく上で貴重な知見である。
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