研究課題/領域番号 |
07555509
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
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研究分担者 |
村橋 紀昭 三菱マテリアル, 中央研究所, 研究員
河野 通 三菱マテリアル, 中央研究所, 副所長
吉美 享祐 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80230803)
村山 洋之介 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60111308)
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キーワード | 金属間化合物 / 水素吸蔵合金 / 微粉化 / 圧力-水素-組成等温線図 / 組織制御 / 粉末プロセス |
研究概要 |
Nb_3Al基合金は水素雰囲気中での保持(水素処理)により自己崩壊的に微粉化することが知られている。水素処理により形成される粉末は、粒径が小さく、不純物濃度が低いため、高品質かつ低コストにNb_3Al基合金粉末を作製できる手段となりうる。本研究では、水素処理によるNb_3Al基合金の微粉化機構の解明を目的としてNb_3Al基合金の微粉化とそれに及ぼす第2相の影響について調査した。用いた合金は、Nb_3Al単相であるNb-21mol%Al、Nb_3AlとNb固溶体との2相であるNb-16mol%Al、Nb_3AlとNb_2Alとの2相であるNb-28mol%Alを用いた。それぞれ真空雰囲気中で1473Kで86.4ksの均質化処理を施し、表面活性化処理後、313Kおよび353Kにて水素圧力を0-3.4MPaとする水素処理を行い、圧力-組成-温度曲線(PCT)の測定、水素処理後の微粉化の有無や粉末形態の観察、およびX線回折法による水素処理前後の格子定数の測定を行った。その結果、本実験の条件下では、Nb_3Al単相合金Nb-21Alでは水素処理により微粉化しないが、2相合金であるNb-16AlとNb-28Alでは微粉化する。これより微粉化には第2相の存在が影響するといえる。微粉化の起きる条件においては、PCT曲線に不連続的な、急激な水素吸収が現れる。X線回折より、各2相合金では微粉化後に各相の格子定数が増大し、それに伴い2相間に大きな体積膨張差が生じる。したがって、微粉化は水素吸収による2相間の体積膨張差により発生するひずみエネルギーに起因するといえる。これらの知見を基に、クローズドシステムにおいて、清浄で微細な粉末を作製できることが明らかになった。
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