本研究では、研究者らのグループが独自に開発してきた繰り返し鍛造型バルク・メカニカルアロイング(BMA)ならびに改良型ミリングMAを、次世代の固相材料創成法として、金属間化合物およびその複合体、ナノ組織材料、ナノグラニュラー材料ならびに関連した微細組織・機能材料をバルク材料で製造する方法にまで展開させることが最大の目的である。特に、BMAは環境あるいは容器などとのコンタミネーションが皆無であり、大型化をはじめとする製造手法としての展開性に優れ、しかも他の材料プロセスに比較して高速に材料創製できる。 2年間にわたり実施してきた研究内容には、このBMAの原理・概要を公表論文を用いて詳細に述べるとともに、その特徴を示し、延性-延性系、延性-脆性材料系のほとんどすべての材料系を対象に固相材料プロセスできることを明らかにした。続いて、BMAを実験手法の中心にすえて、1)機械的エネルギー投入により誘起される反応(MA誘起SHS)による遷移金属・高融点金属シリサイドの創製、2)Co-Cu系における固溶体創製とそれからの低温長時間アニーリングによるCo粒のナノ析出分散、3)混合粉末および混合粒からのBi-Te-Sb系固溶体の創製とその温間プレス成形による熱電材料特性制御の3つの課題を取り上げ、本研究におけるバルク・メカニカル・アロイングを基礎におくMA複合プロセシングの有用性を実証した。
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