研究概要 |
連鋳機鋳型内の溶綱やパウダー等の介在物の流動は混相流体として解析する必要がある.混相流体の解析方法としては,均質流モデル,スリップ比モデル,ドリフトフラックスモデルがあるが,パウダー巻き込み機構の解明には多流体モデルの使用が適当であると考える.そこで,多流体モデルに基づいた1次元固気液3相流の流れ場の解析モデルの構築を行った.基礎方式系は,体積分率の式,各相の連続方程式および各相の運動量方程式によって構成され,これには,各相間の抗力,浮力,仮想質量力,壁面と混合隆替との摩擦損失の効果が考慮されている.また,有限の垂直管内を上昇する流れでは気相の体積分率によって,気泡流,スラグ流,チャーン流と流動様式が変化する.したがって,流動様式の遷移に対応した支配方程式系の拡張が試みられた.そして,流動様式の遷移を考慮した数学モデルの妥当性を判断するため、それによって得られた数値結果を他の研究者による実験結果と比較し、両者の対応を検討した結果、良好な一致が得られた. また,タンディシュから浸漬ノズルをを介してモ-ルドへ流入するモ-ルド内流れの数値解析を行なった.本数値解析において,時間の経過に伴い自由表面形状がどのようになるかを調べるため,非定常座標系が採用された.支配方程式系の離散化において,対流項にはDonor-Cell法を用い,拡張項には中心差分を適用している.得られた数値結果は実機大の水モデル実験の結果と比較し,両者の間には良好な一致が得られた.
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