研究分担者 |
森 和彦 トヨタ自動車, 第1材料技術部, 担当員
宮本 泰介 トヨタ自動車, 第1材料技術部, 主担当員
毛利 尚武 豊田工業大学, 工学部, 教授 (90126186)
奥宮 正洋 豊田工業大学, 工学部, 講師 (20177182)
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研究概要 |
平成7年度は、摺動用Al合金に対する表面硬化層を放電融合によって形成することを研究目的とした.すなわち,表面改質層の合金化に必要な元素を含む圧粉体電極と加工液を用い,基材を横方向に超音波振動させて徹底的な放電分散を行い,Al合金基材表面に意図する元素を短時間に移行・合金化した. 放電融合は,電極と加工液の構成元素をワークとなる基材表面に移行させ,合金化する表面改質プロセスであって,除去加工である通常の放電加工とは全く逆の思想に基づいている.本プロセスによって形成される表面改質層は,強化相が表面から傾斜組成化しており,改質層に生成する強化相の体積率を制御できる特色を持つ. (a)超音波振動系の放電加工機への組込み ・超音波振動系を現在使用中の放電加工機に組み込んだ放電融合システムを製作した (b)超音波による漏れ性改善と反応性促進効果の評価 ・基材の超音波振動が,電極/基材間の放電分散と溶融層/基材間の漏れ性改善に及ぼす効果を明らかにした ・単発放電痕の直径と溶融深さの計測により,溶滴集合体の基材との漏れ性を評価した ・気化爆発圧力の低下と漏れ性改善による表面欠陥抑制に対する効果を評価した ・放電分散と漏れ性改善による移行元素量(溶融層残留量)増加への効果を評価した ・強化相(TiC)とマトリックス(TiAl)生成反応に及ぼす超音波の反応速度加速効果を確認した (c)TiC/TiAl生成複合改質層の構造制御 ・単発放電痕中のTiCとTiAlの生成およびTiCの分布状態を明らかにした ・放電融合による改質層断面のTiC粒子の生成過程(単発放電痕の溶融凝固過程)と生成形態を把握した ・生成TiC粒子の寸法制御と指定された傾斜組成勾配を創製する目処がついた
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