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1996 年度 実績報告書

粒子加速器用高純度金属ニオブの新製造プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 07555533
応募区分試験
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

嶋影 和宜  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005346)

研究分担者 上城 悟  (株)ジャパンエナジー, 総合技術本部, 主任研究員
平井 伸治  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10208796)
キーワード粗ニオブ / 高純度ニオブ / フッ化物浴 / 溶融塩電解 / 電子ビーム溶解 / 高純度化 / 製造法
研究概要

粗Nbを高純度化するには物理的および化学的精製法を組み合わせた一連の処理プロセスにより不純物成分を除去する必要があるが、化学的精製法の一つである溶融塩電解精製において塩化物およびフッ化物溶融塩を電解浴に用いて粗Nbを精製した場合、電解浴の違いによる不純物成分の精製挙動については不明な点が多い。そこで、本研究では塩化物浴およびフッ化物浴による溶融塩電解精製を行い、両手法によって粗NbからTa,WおよびMoなどの高融点金属不純物成分がどの程度除去できるかについて比較検討した。試料には純度99.9%(塩化物浴)および99.8%(フッ化物浴)の粗Nbを使用した。反応容器内をAr雰囲気下に保持し、実験温度まで昇温させた後、所定の条件で電解精製を行った。電解終了後は塩化物浴による電解では溶媒抽出法およびフッ化物浴による電解ではICP発光分光法によりTa、WおよびMoなどの主な不純物成分の化学分析を行った。塩化物浴電解においてはTa、WおよびMoなどの不純物成分がそれらの種類によって除去の程度が異った。これらは各塩化物の標準生成自由エネルギー変化から計算される理論分解電圧が異なるとともに、これらの不純物成分の溶融塩中における構成イオン種が異なり、これらイオン種の析出電位が塩化物溶融塩中においてそれぞれ異なるからであると推測された。また、フッ化物浴電解においてはTa、WおよびMoなどの不純物成分がいずれも除去可能であった。その原因はこれらの不純物成分の溶融塩中における構成イオン種の析出電位がNbのイオン種よりいずれも卑であることに起因していると推定された。塩化物浴電解ではWの精製率が63.3%と高いが、TaおよびMoの精製率は23.3%、15.0%といずれも低く、塩化物電解は粗Nbからの不純物成分の除去には適していないことが分った。これに対して、フッ化物浴電解ではTa,W,Moのいずれの不純物成分も精製率は90%以上であり、フッ化物浴電解は粗NbからTa,W,Moなどの不純物成分の除去に極めて有効であることが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 嶋影和宜: "高純度ニオブの機能材料への応用" 金属. 第63巻. 38-43 (1993)

  • [文献書誌] 嶋影和宜: "粗金属ニオブの溶融塩電解法および電子ビーム溶解法による高純度化" 日本金属学会誌. 第59巻. 38-43 (1995)

  • [文献書誌] 嶋影和宜: "溶融塩電解と電子ビーム溶解によるNbの精製" 電気化学会誌. 第64巻. 96-101 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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