研究概要 |
本研究の目的を達成するための主要な課題は下記の4項目であった。 1.充填層中におけるスクラップの溶解挙動 2.炭材内装プリケットの低還元性雰囲気下における還元挙動 3.FAR炉の操業法をベースとした高効率シャフト炉プロセスにおける固体,融体の運動 4.プロセスの総合的シミュレーションによる性能評価 第1項目についてはスクラップの溶解には炭素の浸炭による融点の低下とガスとの向流接触による伝熱および溶融の速度論的研究が必要であり,浸炭を伴う軟化溶融試験装置,融点測定用急速加熱観察装置を新しく購入する。この研究により,基本的なプロセスの溶解性能が評価できるようになる。 第2項目については,軟化溶融点以下における炭材のガス化と酸化鉄屑の還元の同時進行反応の解析であるが,重量分析とガス分析を組みあわせることにより測定可能であり,既存の装置と計測機器で一部測定を行っている。試料,還元ガス等の消耗品が必要である。 第3項についてはコールドモデル実験によるガス,固体,液体の移動現象の解明と疑熱間模型による伝熱の速度論的研究を行う。 第4項は上記3項の成果を取り込んだ数学的モデルを作成し,操業予測を行い,プロセス全体の性能評価を行う。(スーパーコンピューター使用料と端末出力用機器) 平成7年度には第1項目については購入予定の融点測定用急速加熱観察装置を使い,浸炭と溶解速度の検討(高橋分担),第2項目については既設の装置を使った炭材内装ブリケットの還元挙動(秋山分担),第3項目についてはコールドモデルによる異形充填物充填層における通気抵抗(埜上分担),研究の総括および移動現象論に基づく数学的モデルの作成(八木分担)の研究を行った。
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