研究課題/領域番号 |
07555544
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小川 浩平 東京工業大学, 工学部化学工学科, 教授 (00016635)
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研究分担者 |
吉川 史郎 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 助教授 (40220602)
黒田 千秋 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 教授 (80114867)
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キーワード | CWM / レオロジー / 流動特性 / サスペンション / 粘度 / 撹拌 |
研究概要 |
石炭微粒子を水に懸濁させたCWM(Coal Water Mixture)は、固体石炭の貯蔵、輸送等の操作時に生じる環境、安全面等における問題を回避できるため、その実用化が強く望まれている。しかし、上記操作の至適条件を決定するために必要となるCWMの流動特性に関する知見は、ほとんど得られていないのが現状である。そこで、本研究では先に開発した真空採血管型粘度計の測定原理を、CWNが高粘性流体であることを念頭において応用し、コンプレッサー、加圧排液タンク、試験円管、圧力センサ、電子天秤およびパーソナルコンピュータからなる粘度測定システムを構築した。加圧排液タンクの容積は約2l、試験円管の内径及び長さはそれぞれ1cmおよび200cmで、上流側圧力センサはタンク出口からの助走区間よりも十分長い距離をおいた位置、下流側センサはそこから1.5mの離れた位置に設置した。それら圧力センサおよび試験円管出口下方に設置した電子天秤から得られる差圧および流出物の質量の経時変化をパーソナルコンピュータに取り込んで記録し、それらのデータを処理することによって壁面剪断応力、壁面剪断速度を広い剪断速度範囲において計算し、その流動特性を得た。本システムの健全性を検討するためにグリセリン原液の流動特性を測定したところ、その結果は文献と比較して妥当なものであることを確認した。そこでCWMの流動特性を測定したところ、パイプライン輸送時に該当する剪断速度範囲10〜100s^<-1>の範囲で顕著な非ニュートン性を示し、その見掛け粘度が約1,000cPであることが明らかになった。また、貯蔵において石炭粒子の沈降を避けるために行われる撹拌操作に着目し、種々の回転数において所定の時間撹拌した後の流動特性を比較したところ、高回転では何らかの構造破壊がおき流動特性が変化することが明らかになった。
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