研究概要 |
1.静的蓄電能力の検討 昨年度まで用いていた参照電極,作用電極,対極を用いた三極方式の実験装置を作用電極,対極のみを用いる二極式に改良した.これにより作用電極にかかる電位を簡単に設定できるようになり,実験の簡略化が実現した.拡散層の影響を取り除くため,作用電極に用いる活性炭をフェルト状のものから短繊維状のものに変更した.これにより細孔内のみのイオンの挙動を充放電実験結果から捉えることができるようになった.セル内の電解液液温が25℃に保つことができるようヒーターと温調を取り付けた恒温槽を用いることにした.また外界からの電磁波の影響を直接受けると測定する電流値が乱れてしまうため,シールドを作成し電磁波を遮断した. 以上の改良を加えた実験装置とインピーダンス測定装置を用いて電極の界面に交流電圧を流し,測定したインピーダンスから系の等価回路を決定した.この回路の解析を進めればキャパシタの静電容量および細孔内における拡散係数が決定できるため,ただいま検討中である. 2.速度過程解析 作用電極に短繊維状の活性炭を用いているため,従来のフェルト状の作用電極に対して使用したポゼ-の式(電気量の経時変化を表したモデル式)を変更して,新しい円柱モデル式を導出した.式中のフィッティングパラメーターを決定するためのプログラムを作成し,ワークステーションを用いてフィッティングを行い,実験値から計算された値の妥当性より装置およびモデル式が正しいことを確認した.
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