本研究の目的は、廃棄量が増大し環境への影響が懸念されているプラスチックを効率よく性状の優れた灯油および軽油などの液体燃料に変換するプロセスを開発するための基礎研究をすることである。本申請者らは、これまで石油系超重質油の分解反応において、褐炭活性化触媒が非常に有効であることを見い出してきており、本研究においては、これらを基礎にしてプラスチックの分解触媒としての高機能化をはかる。 具体的には、プラスチックとしてはポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンなどを用い、触媒として活性炭担持触媒を用い、現有の回分式高圧反応装置で行った。生成物については、ガソリン成分についてはオクタン価、パラフィン、オレフィン、ナフテン、芳香族炭化水素の組成などの測定を行い、生成した液体燃料の性状をしり反応結果を解析するとともに評価した。これらの結果から、本プロセスにおいては、高効率にプラスチックを液体燃料に転換することが可能であることを見い出した。さらにこの回分式反応装置で行った実験条件および触媒開発の結果をを基礎として、プラスチックを連続的に触媒と接触させると同時に、生成物、特にガソリン成分を連続的に取り出すという連続分解プロセス用反応装置の試作を開始した。
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