研究課題/領域番号 |
07555560
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
須藤 雅夫 静岡大学, 工学部, 教授 (80154615)
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研究分担者 |
鈴木 辰生 日機装(株), 静岡製作所, 主事(研究職)
木村 泰三 浜松医科大学, 第一外科, 助教授 (80114461)
原田 幸雄 浜松医科大学, 第一外科, 教授 (00010380)
木村 元彦 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 助手 (20195382)
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キーワード | グルコースセンサー / 糖尿病 / 人工すい臓 / 生体適合膜 / ナフィオン / プラズマ重合 / 荷電膜 / 交換吸着 |
研究概要 |
プラズマグラフト重合によるアクリル酸及びスルフォン酸基を有する荷電膜を合成した。アクリル酸荷電膜は、溶液結合型外部電極プラズマ装置を用いて、ポリプロピレン微多孔フィルム(CG)及びポリエチレン微多孔フィルム(HP)を基材として気相プラズマ処理と溶液後重合によりグラフト膜を得た。フッ素系荷電膜は、ベルジャー型内部電極プラズマ装置を用いて、基材両面にトロフルオロメタンスルフォン酸とヘキサフルオロプロピレンを気相プラズマ処理し、グラフト膜を得た。重合時間、重合圧力などの操作条件による荷電膜の特性、グラフト率、イオン交換容量、膜伝導度、カチオン輸率に与える影響を実験から検討した。アクリル酸グラフト膜は、膨潤膜となり膜伝導度は高くなった。陽イオン輸率はHPに比べCGを用いる方が高くなった。フッ素系スルフォン酸グラフト重合膜は、市販膜であるNafion‐117膜より実効抵抗が低く,Nafion‐117膜に匹敵するイオン交換容量を持ち、高い陽イオン輸率の膜を合成することが出来た。高分子フィルムへの血漿タンパク質の吸着をフローセル中の水晶発振子微小天秤法を用いて測定した。タンパク質水溶液中に浸したATカット水晶発振子はポリビニルアルコール、ポリウレタン、シリコン及びナフィオンの高分子フィルムで被覆され、フィルム上へのタンパク質の吸着及び脱着による質量変化による周波数変化を示す。質量変化は、Sauerbrey式に従い周波数変化により決定された。高分子フィルムへの牛血清アルブミン及びフィブリノーゲンの吸着平衡はLangmuir式で充分相関された。タンパク質は、ナフィオンフィルムに最も大きな吸着量を示し、次いでシリコン、ポリウレタン、及びポリビニルアルコールの順であった。交換吸着実験では、ナフィオンフィルム上のアルブミンはフィブリノーゲン水溶液でも吸着し続けることが分かった。タンパク質の吸着・脱着の実時間測定を実演し、水晶発振子微小天秤法の有益性を明らかにした。
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