研究課題/領域番号 |
07555569
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 恵一 大阪大学, 工学部, 助教授 (50107140)
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研究分担者 |
前田 拓巳 (株)島津製作所, 技術推進部, 課長(研究員)
横山 正明 大阪大学, 工学部, 教授 (90029281)
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キーワード | イオンセンサー / ニュートラルキャリヤ / 感応膜 / シリコーンゴム / 生体適合性 / 実用化 |
研究概要 |
ニュートラルキャリヤ型イオンセンサーの感応膜材料としてシリコーンゴムは、可塑剤不要や生体適合性など様々な利点を有しながらも、実用化に至っていない。本研究では、ニュートラルキャリヤ型シリコーンゴム感応膜の高性能化を検討し、各種イオンセンサーへの応用、さらに、臨床分析での実用化を目指した。すなわち、ナトリウムイオノフォアを用いるシリコーンゴム膜型ナトリウムイオンセンサー(電解効果トランジスター、イオン電極)について検討した。 1)カリクサレンイオノフォアをはじめとする高分散性ナトリウムイオンニュートラルキャリヤの分子設計を試みた。その結果、カリクサレン分子にシロキサン残基を導入することによって、架橋ポリシロキサンであるシリコーンゴムに対する親和性が増大し、このカリクサレンイオノフォアのシリコーンゴム膜への分散性が劇的に向上し、優れた性能のシリコーンゴム膜型ナトリウムイオン電界効果トランジスタを得ることができた。 2)シロキサン型カリクサレンイオノフォアを含むシリコーンゴム型感応膜をナトリウムイオン選択性電極に応用した。その結果、本感応膜は、応答感度、応答速度およびイオン選択性において、従来の可塑化ポリ塩化ビニル膜に匹敵するイオン電極性能を示し、生体に優しい毒性の少ないニュートラルキャリヤ型イオン選択性電極として有望であることが判明した。 3)ゾル-ゲルガラスを感応膜材料とするニュートラルキャリヤ型イオンセンサーの検討を行った結果、ニュートラルキャリヤをゾル-ゲルガラスに包埋した感応膜は、イオンセンサー用感応膜として機能することが予備実験で確かめられた。現在、その再現性を確かめている。
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