研究課題/領域番号 |
07555572
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝治 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80154540)
|
研究分担者 |
山森 伸二 日本光電工業(株), 開発部, 開発部課長
志智 雄之 日産アーク(株), 研究部, 表面分析室長
山本 憲子 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (50051420)
小池 康博 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60161840)
|
キーワード | イオンセンサー / 光ファイバーセンサー / イオノフォア / pHセンサー / オプティカルセンサー / クロモフォア |
研究概要 |
鈴木と山本は、高性能イオンセンサーのイオン感応物質とする優れたマグネシウムイオン選択性のイオノホア分子を得るための分子設計として、マロン酸ジアミド構造を有する数種の化合物についての分子メカニクス計算を行った。その結果、マロン酸ジアミド2分子でマグネシウムイオンを的確に配位結合させられる構造があることがわかった。この結果から、弱い配位場としてのアザクラウン環を有し、マロン酸ジアミドを含む2つの側鎖をもつ化合物を十数種化学結合した。これらの化合物のマウネシウムイオンとの配位能を調べるため、志智と山森は溶媒抽出法とNMR分光法を用いて測定を行ったところ、アダマンチル基のような嵩高い側鎖をもつマロン酸ジアミド誘導体が、マグネシウムイオノホアとして適していることを明らかにした。 一方、小池は可視部全体において高透明性を保ったプラスチック光ファイバーを開発した。これを受けて小池と鈴木は、多検体迅速分析が可能なフローセル型の光ファイバーセンサーを試作した。この場合、試作したセンサーの基礎特性を調べ、センサー構造を最適化するために、プロトン脱着型色素を化学結合させたセンサー膜を新たに開発して実験を行った。この場合、センサー構造の検討と同時にフローセル型センサーの応答理論を定式化し、新たな溶液迅速分析法(RFA)を提案した。このセンサーの再現性は極めて良好であり、今後多種のイオンセンサーを作製するうえでのモデルとすることができた。また、RFAの開発により、微量試料の正確な測定の方法論が確立できた。
|