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1997 年度 実績報告書

リチウム金属の超平滑メッキのための表面状態制御

研究課題

研究課題/領域番号 07555575
研究機関京都大学

研究代表者

金村 聖志  京都大学, 工学研究科, 助教授 (30169552)

研究分担者 八尾 健  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50115953)
キーワードリチウム金属 / 表面電位分布 / 原子間力顕微鏡 / その場赤外吸収分光測定 / リチウム二次電池 / HF添加剤 / 水晶振動子マイクロバランス法 / 表面皮膜
研究概要

本年度は、原子間力顕微鏡と表面電位測定装置を用いた複合分析を中心に研究を行った。既に前年度までにHFを添加した非水電解液を用いることにより、リチウム金属を鏡面状態で析出させることができることを見い出してきた。また、光電子分光測定をやその場赤外吸収分光定により、リチウム金属表面の状態が異なることを明らかにしてきた。さらに、リチウム金属の超平滑メッキが行なえる電解液での表面皮膜はりLiF/Li_2Oからなる二層構造を有していることをこれまでに報告してきた。しかし、面内におけるこの皮膜の均一性については評価していなかった。原子間力顕微鏡によるnmオーダーでの形状測定と表面電位の測定を行った結果、この皮膜が非常に均一な組成および厚みを有していることがわかった。これに対してリチウム金属のデンドライトが生成する電解液系において析出したリチウム金属上の皮膜は非常に不均一で、表面の電位の大きな分布が見られた。電位の高い所ほど皮膜が薄く電気化学的な反応が進行しやすくなっていると考えられ、このような個所がリチウム金属のデンドライト生成に大きく関与しているものと考えられた。
次に超平滑メッキを可能とする電解液を用いてリウマチ金属の充放電サイクルを行い、この新規添加剤の実用性について検討したが、100%の充放電効率は得られなかった。この点について水晶振動子マイクロバランス法を用いて検討を行った結果、放電時にリチウム金属が電解液と反応することが分かった。この結果は、皮膜が放電時に破壊することを意味しており、今後LiF/Li_2O皮膜の安定性を向上させる成分の添加が必要であることが分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kiyoshi Kanamura et al.: "Study on Surface Composition of Highly Smooth Lithium Deposited in Various Carbonate Electrolytes Containing HF" Langmuir. 13,No.13. 3542-3549 (1997)

  • [文献書誌] Kiyoshi Kanamura et al.: "Electrochemical Deposition of Lithium Metal in Nonaqueous Electrolyte Containing (C_2H_5) NF (HF) _4 Additive" J.Fluorine Chemistry. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Kiyoshi Kanamura et al.: "Dynamic Observation of Surface Reaction of Lithium Foils Immersed in Diethyl Carbonate Electroly by Using in situ FTIR" DENKIKAGAKU. 66,No.3. 272-278 (1998)

  • [文献書誌] 金村 聖志: "電池材料の評価(1)リチウム電池用負極材料の評価" 電気化学. 63,No.1. 17-23 (1995)

  • [文献書誌] 金村 聖志: "リチウム電池の電極表面の動的制御" 表面科学. 18,No.5. 49-58 (1997)

  • [文献書誌] 金村 聖志: "リチウム電池用リチウム金属の表面制御" 電気科学. 65,No.9. 722-729 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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