研究課題/領域番号 |
07555576
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山添 のぼる 九州大学, 大学院・総合理工学研究所, 教授 (40037817)
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研究分担者 |
二田 穂積 矢崎計器(株), ガス機器開発室, 助手
酒井 剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究所, 助手 (40284567)
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究所, 助手 (10274531)
三浦 則雄 九州大学, 大学院・総合理工学研究所, 助教授 (70128099)
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キーワード | 半導体センサ / 固体電解質ガスセンサ / 動態計測 / ナトリウムイオン導電体 / 窒素酸化物 / 二酸化炭素 / 酸素イオン導電体 / 補助相 |
研究概要 |
1.炭酸塩補助相を用いる固体電解質型CO_2センサ 動態計測用のセンサとしては、小型で消費電力が小さいことが望まれる。そこで、安定化ジルコニアを固体電解質として用い、加熱器(ヒーター)と一体にしたチップ型のセンサを試作した。まず、一方を大気解放としたセンサとの性能の比較のために、他ガスの影響や酸素濃度依存性について検討を行った。その結果、他ガスについては従来のセンサと同様に良好な選択性を示すことが実証され、酸素濃度依存性については検知極と対極を同じ雰囲気に曝す構造とすることにより、従来のものよりも大幅に酸素濃度依存性を改善できた。また、この小型センサを用いた能動試験では、室内におけるCO_2濃度の増加および換気による減少を高感度に検知できることがわかった。 2.硝酸塩あるいは亜硝酸塩を用いる固体電解質型NO_Xセンサ 環境保全のための動態計測用NO_Xセンサとして、大気中に含まれる微量のNO_2を検出できる固体電解質を用いた電流検出型センサが非常に有望である。このセンサは、硝酸塩あるいは亜硝酸塩を補助相として取り付け、検知極あるいは対極間に一定電圧を印可することによって、そのとき流れる電流を検出するものであるが、印可電圧と補助相について詳細な検討を行った結果、ppbレベルの低濃度NO_2を精度よく検出可能なことを確かめた。その場合、他ガスについても印可電圧と補助相を適当に選べば影響をほとんど受けないことを実証した。また、室内におけるNO_2の検出では、ケミルミ式のNO_X計と非常によい対応を示すことがわかった。 混成電位型NO_Xセンサ 申請者らが提案している混成電位型センサは、高温作動が可能でありNOの酸化およびNO_2の還元に伴う電位変化を検出するため、NOとNO_2を分離して検出できる可能性がある。そこで、種々の酸化物を電極触媒として取り付けた混成電位型センサを試作し、NO_X検出における基本機能の検討を行った。その結果、燃焼排ガス中のNO_Xを検出可能なレベルの性能を有することを実証した。また、検知メカニズムについて空気中およびNO_X中でのIV特性を調べた結果から、本センサの検知機構が混成電位モデルで説明できることを明らかにした。また、他の可燃性ガスやCO_2の影響についても、酸化物対極の選択により改善可能であることを確かめている。
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