研究分担者 |
横山 豊和 ホソカワミクロン株式会社, 技術開発センター粉体工学研究所, 主席研究員
福田 悦幸 株式会社東芝, 電気部品材料事業本部, 主任研究員
堀田 禎 財団法人ファインセラミックスセンター, 試験研究所, 主任研究員
内藤 牧男 財団法人ファインセラミックスセンター, 試験研究所, 主任研究員
吉田 宜史 名古屋大学, 工学部, 助手 (60262888)
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研究概要 |
構造用セラミックスであるアルミナを原料粉体として,スリップキャストと金型プレス法により成形体を作成した.成形及び噴霧造粒に当たっては,スラリー中の粒子濃度を一定とし,使用する高分子分散剤の濃度が成形体微構造に及ぼす影響について子細に検討した.スラリーの特性評価は主に従来方法により行い,成形体微構造とスラリー特性について考察した.その結果,スラリーの粘度が分散剤のわずかな濃度変化により影響を受ける場合があること,温度,放置時間が予想以上に影響することが明らかとなった. 噴霧造粒/金型プレスにおいては,成形体の密度は,より分散されたスラリーにおいて最も高くなったが,最も均質な成形体は凝集スラリーより得られた.これは顆粒の構造に起因するものであるため,顆粒構造形成プロセスの解明が重要であることが明らかとなった. 本年度の研究を通じて,従来の成形プロセスに関する研究の問題点を明らかにすることができた.従来の研究は,スラリーの特性と成形体特性の相関付を行うだけで,成形機構に関してはほとんど言及されていなかった.成形プロセスは,脱水・乾燥プロセスであり言い換えれば粒子濃度の濃縮プロセスである.したがって,調製時に測定されるスラリーの特性はあくまで初期値であり,成形体微構造の形成過程においてはスラリー特性も変化している.次年度は,成形機構に関する力学モデルの提案と,粒子濃縮過程におけるスラリー特性の評価が本研究で提案している原理によって可能であることを実証したい.
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