研究分担者 |
佐々木 皇美 通産省工技院北海道工業技術研究所, 資源エネルギー基礎工学部, 技官
千葉 忠俊 北海道大学, エネルギー先端工学研究センター, 教授 (70001295)
仙北 久典 北海道大学, 工学部, 助手 (50241360)
折登 一彦 北海道大学, 工学部, 助教授 (20109482)
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研究概要 |
1.流動層電解装置の製作と電解カルボキシル化反応の検討 底部には200メッシュのガラスフィルターをもち直径25mm、高さ100mmの流動層電解装置(溶液量15〜30ml)を試作した。この装置に白金陰極、マグネシウム陽極を取り付け支持塩を含むDMF溶液中において底部から二酸化炭素を挿入したところ予期以上の流動化状態を起こすことができ、いくつかのハロゲン化アリルの電解カルボキシル化反応について実際の検討を行った。通常の電解装置を用いた場合とほぼ同様の収率および選択性(次項の2を参照)でβ,γ-不飽和カルボン酸を得ることができたので、次年度は反応条件の最適化を詳細に行いたいと考えている。 β,γ-不飽和カルボン酸の位置選択的合成と不飽和ラクトンへの変換 γ位に置換基を有するハロゲン化アリルを常圧の二酸化炭素の存在下電解を行うと位置選択的にカルボキシル化が進行し、通常の有機金属化合物のカルボキシル化では得ることのできないβ,γ-不飽和カルボン酸が選択的に合成されることを見出した。また、得られたβ,γ-不飽和カルボン酸をα,β-不飽和γ-ブチロラクトンへ容易に変換することができ、本電解カルボキシル化の有用性を示すことができた。 3.α,β-不飽和カルボン酸の合成 フェニル基を有するハロゲン化ビニルの電解カルボキシル化によって相当するα,β-不飽和カルボン酸が高収率で得られることを見出した。各種のハロゲン化ビニルの電解カルボキシル化やその立体化学については次年度に検討する予定である。
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