研究分担者 |
佐々木 皇美 通産省工業技術院, 北海道工業技術研究所・資源エネルギー基礎工学部, 技官
千葉 忠俊 北海道大学, エネルギー先端工学研究センター, 教授 (70001295)
仙北 久典 北海道大学, 工学部, 助手 (50241360)
折登 一彦 北海道大学, 工学部, 助教授 (20109482)
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研究概要 |
1.流動層電解装置を用いる電解カルボキシル化 製作した流動層電解装置を用いた臭化シンナミルをモデル基質として条件検索を行った。その結果、CO_2流量30-35ml/min、反応温度0-10℃、通電量3-5F/mol、電流密度25mA/cm^2の時が最も良い条件であり、相当するカルボン酸が65%の収率で得られた。他のハロゲン化アリルでも相当するカルボン酸が良好な収率で得られた。通常の電解セルと比較した場合、流動層電解装置の方が一般に高収率、高選択的に生成物を与えることが判明した。また、大量合成を目的として高い電流密度で臭化シンナミルの電解カルボキシル化を行ったところ、通常のセル化を行ったところ、通常のセルでは37%であったが本装置では60%の収率で生成物が得られた。 2.アリール置換α,β-不飽和カルボン酸の合成 アリール置換ハロゲン化アリルをマグネシウムの反応性電極を用いて通常のセルで電解すると相当するα,β-不飽和カルボン酸が63-92の収率で得られた。一部の基質については流動層電解装置を用いて検討し良好な結果を得ているので、来年度は詳細に検討したい。 3.脂肪族置換α,β-不飽和カルボン酸の合成 脂肪族置換ハロゲン化アリルの電解カルボキシル化では低収率であったが、Ni錯体を添加して高収率でα,β-不飽和カルボン酸を合成する電解法を開発することができた。 4.抗炎症剤の合成 2で得られた成果を基としてIbuprofenの前駆体であるα,β-不飽和カルボン酸を93%の高収率で合成することができた。この他、Naproxen、Flubiprofen、Cicloprofen等の前駆体を高収率で合成することができ、抗炎症剤の有用な合成法となり得ることを示すことができた。来年度は流動層電解装置で検討したい。
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