研究概要 |
1)硬化剤である活性エステルとして、これまで用いてきたトリアセトキシベンゼン(TAB)などのほかに1,3,5-トリ(4-アセトキシベンゾイルオキシ)ベンゼン(TABB)およびビスアセトキシフェニルカルボニルイソフタル酸レゾルシノール(BAPIR)を合成し、エポキシ樹脂プレカーサーであるビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)の硬化反応を行なった。いずれもエポキシ樹脂の硬化剤として有効であった。 また、フェノールノボラック樹脂(PN)およびその酢酸エステル(AcPN)を用いて同様に硬化反応を行なった。 2)上記のTABB、BAPIRおよびAcPNによって硬化したエポキシ樹脂のガラス転移温度(Tg)、力学的性質、誘電的性質、吸水性について測定を行なった。これらの硬化剤によって硬化したエポキシ樹脂のTgは、それぞれ130℃、142℃、82℃となり、TABBおよびBAPIRによって硬化したエポキシ樹脂のTgはTABによって硬化したエポキシ樹脂の73℃に比べて、著しく上昇した。 AcPNによって硬化したエポキシ樹脂のTgは82℃であるのに対して、エステル化する前のフェノールボラック樹脂で硬化したエポキシ樹脂のTgは132℃であった。 また、硬化樹脂の吸水性はTHB≫TAB>TABB>PN>AcPNの順に低くなった。
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