研究課題/領域番号 |
07555586
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
吉田 善一 近畿大学, 理工学部, 教授 (60025814)
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研究分担者 |
中塚 巌 住友化学工業(株), 生物環境科学研究所, 主任研究員
武隈 真一 近畿大学, 理工学部, 講師 (00171629)
松原 凱男 近畿大学, 理工学部, 教授 (80088450)
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キーワード | 超機能色素 / Supperatom / Bicapped C_<60> / N_2固定 / ピラゾリン環縮合C_<60>色素 / 光物性および電気化学的挙動 / 8π系新色素インドロン / 酸素発生型光合成 |
研究概要 |
新しい概念に基づき、(1)超機能色素BicappedC_<60>による触媒的N_2固定及び不斉アミノ酸合成、(2)超機能を持つC_<60>誘導体(色素)の創出および(3)8π系新色素インドロンの光合成機能、生物活性機能の開発により世界を先導する画期的化学技術に導くことが本研究の目的で、本年度は以下のような瞳目すべき成果が得られた。 (1)本研究代表者が1970年に予言したC_<60>(パ-プル色)分子をSupperatomと見なす新概念を提出し、それに基づき、γ-シクロデキストリンとの2:1錯体色素(Bicapped C_<60>)を合成した。この水溶性錯体は疎水性Cavity内で、基質を活性化する。例えばN_2分子が疎水性CavityでC_<60>に配位することがスペクトルおよび熱分析(TG-DTA)から確認され、これに電子供与体を共存させるとNH_3の発生がみられた。これは根粒バクテリア(Fe/Mo金属酵素)と同様なN_2固定をBicapped C_<60>が行いうるという画期的発見である。 (2)C_<60>分子への1,3-双極子付加によりプラゾリン環縮合C_<60>色素を創出し、極めてユニークな光物性および電気化学的挙動を見い出した。 (3)ピンク色の食用キノコ(トキイロヒラタケ)に8π系新色素インドロンが存在すること、この色素と金属(Fe)および蛋白質との錯体が生体内で蛋白質を光合成するという定説を打破る画期的発見をした。これはクロロフィルによらないで、酸素発生型光合成をする初めてのケースで、国際的評価が極めて高い。
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