研究課題/領域番号 |
07555586
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松原 凱男 近畿大学, 理工学部, 教授 (80088450)
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研究分担者 |
吉田 善一 京都大学, 名誉教授 (60025814)
武隈 真一 近畿大学, 理工学部, 講師 (00171629)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 超機能色素 / 4nπ(60π及び8π)系色素 / γ-シクロデキストリン-C_<60>錯体色素 / N_2固定 / Bicapped C_<60> / ピラゾリン環縮合C_<60>色素 / トキイロヒラタケ / 8π系新色素インドロン |
研究概要 |
本研究は、5員環および6員環から構成される4nπ(60πおよび8π)系色素につき新しい概念に基づく革新的超機能創出について研究を進めた結果以下に述べる瞠目すべき効果が得られた。 (1)本研究代表者が1970年に予言したC_<60>(パ-プル色)分子をSupperatomと見なす新概念を提出し、それに基づき、γ-シクロデキストリンとの2:1型錯体色素(Bicapped C_<60>)を合成した。この水溶性錯体は疎水性Cavity内で、基質を活性化する。例えばN_2分子が疎水性CavityでC_<60>に配位することがスペクトルおよび熱分析(TG-DTA)から確認され、これに電子供与体を共存させるとNH_3の発生がみられた。これは根粒バクテリア(Fe/Mo金属酵素)と同様なN_2固定をBicapped C_<60>が行いうるという画期的発見である。 (2)C_<60>分子とジアゾメタン誘導体との反応生成物は抗エイズ活性を示すが、1,3-双極子付加によるヘテロ環縮合により、抗エイズ活性を含め各種の機能発現が期待される。そこで、この反応を用い各種置換基を持つピラゾリン環縮合C_<60>色素を創出し、その機能について研究した結果発蛍光性および電気化学的機能上注目すべき結果を得た。 (3)ピンク色の食用キノコ(トキイロヒラタケ)に8π系新色素インドロンが存在すること、この色素と金属(Fe)および蛋白質との錯体が生体内でアミノ酸を光合成し、最終的には蛋白質を与えることを発見した。これはクロロフィルによらない酸素発生型光合成の初めてのケースで、国際的評価が際めて高い。
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