研究課題/領域番号 |
07555589
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新海 征治 九州大学, 工学部, 教授 (20038045)
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研究分担者 |
池田 篤志 九州大学, 工学部, 助手 (90274505)
竹内 正之 九州大学, 工学部, 助手 (70264083)
浜池 格 九州大学, 工学部, 助教授 (90202259)
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キーワード | フラーレン / カリックスアレーン / ホスト・ゲスト化学 / 包接錯体 |
研究概要 |
これまでの研究から、カリックス[8]アレーンとフラーレンの包接現象には"Hole-size"選択性、およびカリックスアレーンのtert-ブチル基とのCH-π相互作用が働いていると考えられている。しかし、この錯体の相互作用は非常に弱いものであり、溶液中ではその包接錯体形成は確認されていない。そこで、これまで当研究室で合成した様々なカリックスアレーン誘導体を用いて系統的な検討を行うことにより、溶液中におけるカリックスアレーンとフラーレンとの錯体形成の必要条件を明らかとした。これらの錯体形成は、可視・紫外吸収のスペクトル、^1Hおよび^<13>C-NMRスペクトルにより確認した。 まず、未修飾カリックスアレーンにおいては、オキサカリックス[3]アレーン、カリックス[5]アレーン、そしてカリックス[6]アレーンにおいてフラーレンとの相互作用が確認された。これに対し、空孔径のより小さなカリックス[4]アレーンでは相互作用が確認されなかった。この原因は、カリックス[4]アレーンの空孔サイズがフラーレンを取り込むには小さいためと考えられる。一方、カリックスアレーンの水酸基を全てメチル化したカリックスアレーン誘導体を用いると、これまで相互作用が確認されたオキサカリックス[3]アレーン、カリックス[5]アレーン、そしてカリックス[6]アレーンにおいてそれぞれ錯体形成は確認されなかった。未修飾カリックスアレーンは分子内水素結合により"cone"構造を取るのに対して、メチル化されたカリックスアレーンでは分子内水素結合が切れ、もはや"cone"構造を取っていないことが知られている。従って、カリックスアレーンがフラーレンを取り込むためには、錯体形成に適した"cone"構造に""preorganize"されている必要があることがわかった。
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