研究課題/領域番号 |
07555598
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
木村 良晴 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (10132276)
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研究分担者 |
山岡 哲二 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (50243126)
宮本 真敏 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (70149524)
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キーワード | 脂肪族ポリエステル / ポリ-L-乳酸 / 直接縮合 / β-ブチロラクトン / γ-バレロラクトン / 分解性プラスチック / 医用材料 |
研究概要 |
本研究では、生分解性ポリマーとして注目されている一成分系脂肪族ポリエステルの構造-物性相関を明らかにすると共に、構造規制と実用化を企図した新しい化学合成法の開拓を行うものである。 本年度は、(1)L-乳酸を減圧下に直接加熱脱水することにより、2000〜5000の分子量を有するオリゴマーを生成させ、このオリゴマーにシリカ-アルミナ触媒(Al_2O_3含量5‐30wt%)を添加して2‐5mmHgで加熱を続けると、100,000を超える分子量を有するポリ-L-乳酸が得られることを見出した。現在、より効率のよい触媒系を探索中であるが、シリカ-アルミナ骨格にアルカリおよびアルカリ土類金属イオンが保持された反応サイトを有する触媒が特に有効であることが解ってきた。他方、L-乳酸のかわりにL-乳酸メチルを用いて、同様に直接縮合によりポリ‐L‐乳酸を合成する試みも行っている。従来、この重縮合は進行しないとされてきたものであるが、特殊な触媒の採用により初めて可能となったものである。従って、このプロセスの採用によりポリ-L-乳酸の工業生産に新しい道が拓かれるだけでなく、学問的にも注目すべき点の多いものであるため、平成8年度に開催される重縮合に関する国際会議で発表する予定である。(2)5員環ラクトンであるγ-バレロラクトンは単独重合性を示さないが、β-ブチロラクトンとの共重合により重合することが初めて明らかとなった。γ-ブチロラクトンとβ-ブチロラクトンの共重合も同様に進行し、微生物産生ポリエステルと同じような構造を有することが確認された。(3)生分解性ポリエステルの化学合成は発酵合成に代わるプロセスとして重要であり、工業的な応用への展開が期待される。また、生分解性ポリエステルは分解性プラスチックだけでなく医用材料としても利用されるため、本研究の成果は学会だけでなく産業界からも注目を集めている。
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