研究課題/領域番号 |
07555612
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
松下 和正 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80024610)
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研究分担者 |
佐藤 隆士 鶴岡工業高等専門学校, 講師 (60226024)
小出 学 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10272866)
桃井 清至 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60003852)
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キーワード | 下水汚泥 / ごみ焼却灰 / 光吸収係数 / 廃棄物を原料とするガラス / 化学的耐久性 / 計算機シミュレーション / ソーダ石灰珪酸塩ガラス / ガラスセラミックス |
研究概要 |
わが国においては埋め立て処分場が少なくなり、廃棄物の処理処分が大きな社会問題になっている。下水処理場で生じる大量のヘドロ状汚泥、また膨大な量のごみを焼却した後に残る大量の灰も、処理処分が困難になっている問題の一つである。ヘドロ状下水汚泥から有機物を除去した残渣はSiO_2-CaO-Al_2O_2-Fe_2O_3系を主成分とした無機物質であり、一般のセラミックスあるいはガラスの原料となり得るものである。焼却灰も似たような組成である。得られるガラスあるいはガラスセラミックスの色の調整は応用上非常に重要である。また路磐材などに使用するためには長期にわたる科学的耐久性が重要である。平成7年度においてはこれらの廃棄物を熔融冷却して得られたガラスが強く着色していたのでその着色の原因を調べた。その結果、炭素、シリコン、あるいは金属鉄が非常に細かい粒子としてガラス中に均一に分散しているためであると推定した。しかしこれらの粒子は化学分析、X線回析などでは検出できなかった。 平成8年度においては計算機シミュレーションによりある一定量の不透明粒子がガラス中に分散している場合の光吸収係数の予測を行った。その結果、化学分析の精度以下の量しか含まれていなくても100nm程度の微粒子として分散していると吸収係数が非常に大きくなり完全に不透明になり得ることを明らかにした。このような微細粒子分散機構について今後研究する必要がある。またpHが3、7、10の水溶液中でのガラスの各成分の溶出試験を行い、溶出量をICPで分析した。その結果、下水汚泥を原料とするガラスの化学的耐久性はHが7、10では一般の窓ガラスに使われているソーダ石灰珪酸塩ガラスと同じ程度であるが、pHが3の酸性領域ではやや悪いことがわかった。これは酸化燐が多量に含まれているためであろう。したがって化学組成の調整変更が必要であろう。
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