研究分担者 |
森川 剛夫 同和工営(株), 調査部, 課長
楠 健一郎 (財)電力中央研究所, 地質地盤部, 主任研究員
田中 良和 京都大学, 理学部, 助教授 (00025420)
藤光 康宏 九州大学, 工学部, 助教授 (10264095)
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 教授 (10002346)
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研究概要 |
今年度は、昨年度製作した空中電磁探査器を用いて,実際にフィールドにおいてヘリコプターから探査器をつり下げ,空中で電磁界を測定する実験を行った.第1回目の実験を平成8年4月に長崎県雲仙火山において行った.まず,地表に送信電線を設置し,電流を流し電磁界を発生させた状況の下で,ヘリコプターに装着し実際の探査状況下でデータを取得した.それらのデータを利用して,探査器の飛行安定性,磁力計の感度,揺れの補正法について検討した.また,空中赤外測定についても,実際にヘリコプターから地表の赤外映像を撮影した. 実験結果のデータを解析後データの検討会を開き,改良方針を討議した.その結果,電磁探査器の飛行安定のために翼の改良が必要なこと,揺れによる磁力計の測定レンジ切り換えが頻繁に起こるとデータの精度が悪くなること等が明らかになり,それらの改良を行うことになった.また,赤外映像測定についてもカメラの固定方法について検討する必要があることが指摘された. 電磁探査器については,翼を大きな筒型翼に改善すること,データ取得装置のダイナミックレンジを大きくすること等の改良行った.赤外映像については可視画像カメラと同時に撮影できる装置を購入し,三脚も安定性のよいものを購入した.このような改良を行った後,平成9年2月にヘリコプターを用いた実験を和歌山県本宮地熱地域において実施した.その結果,探査器の飛行安定性はかなり改善され,磁力計のデータの連続性も向上したことが確認された.揺れの影響の補正法は精度向上のためにはさらに検討が必要なことが分かった.赤外映像については可視画像と同時に測定できたので、位置の同定が容易になり,画像も安定して撮影できた.狭い地熱兆候の場合の最適撮影倍率の検討を行う必要があることが分かった.
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