研究課題
基盤研究(A)
本研究は、ヘリコプターを利用する空中電磁探査、空中磁気探査、空中赤外画像観測に対して、可探深度、分解能、精度について地熱探査に適用できる性能を検討し、実用化を目指す基礎研究を行ったものである。本研究では、国内の地熱地域において、ヘリコプターを用いた観測を実際に行うことによりそれぞれの問題点を具体的に検討した。以下にに各手法毎に研究成果の概要を示す。空中電磁探査については、可探深度を1〜数kmにするために地表にソースを置き空中で磁場を測定する方式を導入することを考え、その測定器、データ解析法の開発を行った。空中で地下構造に対する磁場応答を観測するために、高精度のフラックスゲート磁力計を開発した。また、その空中での揺れの影響を補正するためにファイバーオプティックジャイロを装着した姿勢計を用いた。これらの装置を装着した探査機を用いて実際に空中でデータを取ったところ、期待されるような磁場の過渡応答が得られた。磁気探査では地下熱構造の変化に対応する微妙な磁気強度の変化を捕えられるような精度に磁力計を改良し、鉛直方向の勾配を測定する方法についても検討した。プロトン磁力計の精度を上げるために、信号強度をつよくし、また、電磁探査との強調のために励起時間の調整法について工夫した。赤外画像観測では、地表データとの比較により空中観測の特性を調べ、ヘリコプターから観測する広域データの処理法についての検討を行った。
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