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1997 年度 実績報告書

弾性係数分布測定のための走査式位相検出型超音波顕微鏡システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 07555618
研究機関東京工業大学

研究代表者

松本 浩之  東京工業大学, 工学部, 教授 (50016416)

研究分担者 西田 政弘  名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60282828)
荒井 政大  東京工業大学, 工学部, 助手 (30260532)
足立 忠晴  東京工業大学, 工学部, 助教授 (20184187)
キーワード弾性係数 / 複素V(z)曲線解析 / 超音波顕微鏡 / 局所領域 / 弾性波 / 音響インピーダンス / 異方性 / 損傷
研究概要

本研究は複素V(z)曲線解析法による材料表面の局所領域における弾性係数の分布を測定する超音波顕微鏡システムを確立することを目的としている.今年度では局所領域の弾性係数の測定の重要な応用の一つとして薄膜被覆材料に対する弾性係数の測定を試みた.まず、等方性基板に被覆ざれた薄膜の弾性係数、さらに膜厚、密度の同定も可能なシステムの検討を行った.システムの確認を行うための試験片として溶融石英上の厚さ約0.2μmの金薄膜を使用した.薄膜を伝播する波動の内,縦波、横波の強度が弱いことから表面波の速度を測定することが有効であることがわかった。基板上の薄膜では様々な表面波が存在することから、本研究では2つの表面波のモード、すなわちRayleigh波およびSezawa波の速度の測定結果および理論的に求められる表面波の分散曲線から逐次探索法を用いて同定を行った.この結果、材料を薄膜状にすることにより弾性係数および密度が若干低下することが明らかになった.さらに薄膜は実際には単結晶のような異方性基板上に作成されることが多いことから、異方性基板上の等方正薄膜に対する検討を行った.まず単結晶材の弾性係数の同定を行った.実験ではGaAs(001)面を使用した.異方性弾性係数を同定するために方位角ごとの波動の速度を測定した.このために複素V(z)曲線法をラインフォーカスレンズ用に拡張した.方位角に対する縦波および表面波の速度の理論値と実験より得られた波動速度から逐次探索法により異方性弾性係数を同定することが可能となった.次に異方性基板上の薄膜について検討を行った.実験にはシリコン単結晶の(001)面上に蒸着された0.1から1μm程度の金薄膜を使用した。この場合、方位角ごとに異なる表面波速度を有し、複雑な伝播特性を示すことから弾性係数を同定するには至らなかったが、複素V(z)曲線方により表面波の分散性を実験的に確認し、今後、弾性係数の同定に繁がるデータを得ることができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Nishida, T.Endo, T,Adachi, H.Matsumoto: "Measurements of Local Elastic Moduli by Amplitude and Phage Acoustic Microscope" NDT & E International Journal. 30-5. 271-277 (1997)

  • [文献書誌] 西田政弘、遠藤富男、足立忠晴、松本浩之: "超音波顕微鏡による異方性材利用の局所領域の弾性係数測定" 日本機械学会論文集(A編). 63-611. 1467-1474 (1997)

  • [文献書誌] 西田政弘、足立智宏、遠藤富男、足立忠晴、松本浩之: "位相検出型超音波顕微鏡を用いた波動伝播速度測定に適したレンズ特性" 日本非破壊検査協会 平成9年度春季大会講演概要集. 101-104 (1997)

  • [文献書誌] M.Nishida, K.Maeda, T.Adachi, H.Matsumoto: "Measurement of Mechanical Properties for Thin Film by Amplitude and Pnase Acoustic M.Hicroscope" Proc.Int.Conf.M & M'97 JSME. 391-392 (1997)

  • [文献書誌] M.Nishida, T.Hirabayashi, M.Arai, T.Adachi, H.Matumoto: "Analyais. on Prssure field of Acoustic Uicroscope" Proc.Int.Cong.M & M'97 JSME. 393-394 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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